Comments by Dr Marks

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Trust but Verify(信頼するが検証もする):メキシコ湾の原油流出の責任者は誰か? 遅きに失したオバマ自身ではないか

ここをクリック→ http://cnn.com/video/?/video/politics/2010/05/14/bts.obama.bp.cnn

ルイジアナの沖合いわずか80キロの原油採掘場で火災が発生し、作業していた126人のうち11人が死亡、原油がメキシコ湾に広がっているという臨時ニュースに接したのは4月20日の夜(西海岸時間)のことだった。当初われわれは、多少の海の汚染はあってもほどなく納まるものと信じていた。ところが、今日5月14日現在、流出を止める手立ても予定も確たるものは何もないのである。

今や汚染の規模は一国の被害を超え、地球規模にならんとしているのに何たることかと誰しも憤りを抑えることはできなかろう。また、誰しも、石油採掘業者というものは、事故が起こらないように注意するだけではなく、事故が起こった際の対策も万全であると信じて疑わなかったのではないだろうか。地上で石油精製工場の火災が起これば、今では専門の技術者がいて、たちどころに鎮火してくれる。海底油田でも、その技術は確立していると思っていたのは、私だけではないだろう。

ところが、今までの試みのニューズに接する限りでは、まるで小学生の工作の授業のようなお話である。また、アメリカ議会は関係する三つの会社の責任者を招いて公聴会を開いたが、責任者同士が責任のなすり合いとなった。確かに、責任の所在が、法的(刑事的)また経済的責任となるため、そのような行動を招いたのではあろうが、大袈裟に言えば(いや、大袈裟でもないかもしれないが)地球と地球に暮らす生物の存亡に関わるときに、協力して、あるいは国家の援助を仰いで、まず流出を止めることに務めるべきでないかと思う。

冒頭のビデオのように、オバマ大統領は、公然と責任をなすり合う三つの会社のみならず、関連の連邦政府の現場を糾弾した。ロシアの箴言である「信頼するが検証もする(we will trust, but we will verify)」を引用し、遺憾の意を強く表明している。しかし、もっと早く連邦政府は、アメリカのあらゆる英知を集めて早急に対策を講ずるべきであった。このような状態では、アメリカの英知どころか、三流国として世界からアメリカが糾弾されてしかるべきである。そして、その連邦政府の責任者こそ、バラック・オバマ大統領に他ならない。

今まで、気が気でなかったが、関係者の努力を信じて、こんな出鱈目だらけのブログに文章とすることをためらっていた。しかし、今日のオバマの他人事のような声明に接して、一言書きたくなった次第である。命を落とした作業員に改めて哀悼の意を表し、至急の流出阻止の成功と汚染海水の中和と自然の回復を祈って止まない。