Comments by Dr Marks

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冠詞のないコスモスな世界(ネタ切れでギリシア初歩でごまかすブログ第4弾)

えーと、今晩は。ギリシア語では冠詞というのは英語で言う定冠詞なので、わざわざ「定」冠詞とは言わなかったの。だって不定冠詞に当たるものはないんだもの。ふんで、そういう場合どうするかと言われるんだが、冠詞なしで言えばいいわけ。

で、どんな例文を作ろうかと思ったとき、κοσμος(コスモスと発音)に二つの意味があることに思い至った。英語などでも二つの意味がある。一つは「世界」であり、もう一つは花の「コスモス」だ。どちらもアメリカ人は「カズモス」と発音するが、世界には普通定冠詞が付いて花のコスモスには付かないのもギリシア語と同じだな。

しかし、ギリシア語のκοσμοςの場合は直接的には「花」の意味はなく、「装飾品」とか「美を増すための飾り」という意味ですねん。その場合、外面的なものばかりでなく内面的・精神的なものも指します。だから、ギリシア語で「女の飾り」(英語で a feminine adornment)というと次のようになるが、意味は「女のちゃらちゃらした飾り」でもあり「女の品格」でもあるわけだ。仮に、女の品性・品格ならば、これこそ真の女の美(feminine beauty)でしょうなあ。

γυναικειος κοσμος または κοσμος γυναικειος

これは一方が名詞、他方が形容詞γυναικειος(ギュナイケイオス、意味は「女の」)であることが明白なので、語順はどちらでもいい。因みに、僕は(←ちょっと都会風に)楚々としたコスモスの花って好きだな。コスモスみたいな女の人好き。