8年後のオバマなら構わない−あたしゃその頃いないけど (大統領選、巷の噂)
最新の『ニューズウィーク』に、オバマの信仰の中身(What He Believes)という記事が載った。それほど面白いものではない。しかし、今なおオバマはイスラム教徒と思われているらしいが、それはないだろう。養父や子供のときのインドネシアの学校教育などが根拠にはなりえない。そのことだけは納得させられる記事だ。
もともと彼はキリスト教徒の家庭に生まれながらも世俗化たっぷりの母親とイスラム教徒の家に生まれながらも無神論者もいいところの父親の子である。ハワイから本土の大都会ロスアンジェルスに向かい、オクシデンタルカレッジで学ぶも、20歳でニューヨークのコロンビア大学に編入する。この頃から宗教あるいは精神的生活への関心が芽生えたらしい。
ニュ―ヨークでは禁欲的な生活にあこがれ、アビシニアすなわちエチオピア系の教会などに通い、断食などもたびたび体験することになるが、それらの教会に溶け込むというほどではなかった。彼が本格的に教会生活をするようになったのは、シカゴに暮らすようになって例の牧師から洗礼を授かってからである。ハーヴァードに入学する前の数年間である。
話し変わるが、先日、93歳の矍鑠(かくしゃく)としたユダヤ人のおばあさんと買い物に行ったことを書いた。このばあさんは民主党員だ。日本人は誤解しているが、少なくともLAのユダヤ人は圧倒的に民主党員が多い。共和党員が多いと思っているだろう。違うんだ。
だが、このばあさんはオバマは嫌いらしい。私は教会で高齢者クラスの聖書講座をヴォランティア(無料だぜ無料)でしていたのでばあさんの知り合いが多いが、ほとんどのばあさんはオバマが嫌いだ。そこでオバマが嫌いな民主党員のばあさんたちは、次のような行動を今年の11月にとることになる。(1)党員としてやむをえないのでオバマに投票、(2)えいい、この際、マケインに投票してやる!(3)マケインに投票するのも癪だし、オバマに投票したくないから棄権する。
例の93歳のばあさんと年齢不詳のばあさんは、何とこの際マケインに一票入れると息巻いていた。棄権すると言っていたばあさんは、「オバマはまだ経験不足だよ。マケインが8年やった後でなら、オバマにやらせてもいいよ。その頃なら、あたしゃどうでもいいから」とのたもう。
「ふ〜ん、ところでおばあちゃん何歳?」
「あたしかえ、あたしゃ96だから、オバマが8年後に大統領になる頃はいないもの」