Comments by Dr Marks

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ヴァモント州で24歳の青年が23歳のアフォ青年に「悪戯」で射殺される(この問題の本質は銃と空気銃ということではない。日本でも起こるよ、所有合法の空気銃と猟銃なんだから。)

昨日、実にアフォな事件の報道があった。この記事の写真にあるニコラス・ベルというアフォな男が、空気銃の音で寝ている友人をいたずらしようとしたところ、銃は空気銃などではなく22口径のライフル銃でしかも弾が入っていたから、友人は胸を打ち抜かれてその場で死んでしまった。過失ながら殺人罪である。(http://bit.ly/gw9dDA

さて、ここで質問。下の写真のうち、どちらが空気銃でどちらが22口径ライフルだと思うか。慣れた人でも区別が難しい。とくにこの写真のようなパンプ・アクション(弾を銃の下部の遊底をスライドすることで銃身に送る)の場合は空気銃に酷似している。空気を同様にスライドすることによって圧縮する空気銃と同じ見かけと動作なのだ。


答は上が22口径の銃。下が空気銃なのだが、このように本物の銃としては最小の口径(22口径が最小)であろうが、人は死ぬ。今、本物の銃と言ったが、実は空気銃も馬鹿にはできない威力がある。口径はたいてい18−20程度だが、至近距離からなら致命傷となることもある。そもそも空気銃は遊び道具ではなく、弾は鉛で小鳥やリスを撃ち殺すことができるのだ。従って、空気銃であろうが22口径という小口径ライフル(またはピストル)であろうが、弾は常に入っているものと考えて取り扱わなければならない。

まさに、その22口径ピストルを余の知人宅で、客人がいたずらして引き金を引いたことがある。幸い、誰もいない部屋だったのだが、弾はベッドを貫通していた。知人の亡くなった夫が弾を込めたまま寝室の護身用にしていたものを、たまたま客人が見つけて確認もしないで引き金を引いたらしい。22口径のピストルは小さくてオモチャっぽいのもよくないのではあるが、それだからこそ注意は必要だ。

冗談だが、ベッド打ち抜くより、このアフォ客人は自分の頭打ち抜いて欲しかった。このことは前にも書いたが、お陰で余はそのかなり年代ものの拳銃を知人から譲り受けることになって儲かった。話はこうだ。知人は危険なので弾を抜いてくれと警察に電話したら、警察の関心はピストルの回収だけで、警察が来て弾を抜いてもらいたいのに「弾を抜いて持ってこい」と馬鹿なことを言ったらしい。

弾を抜かずに許可のない一般人が、警察までとはいえ、運搬することはロスアンジェル市では違法なので、困った知人はガン・エクスパートの余に電話してきた。余は早速参上して弾を抜いたところ、知人は結局その銃を怖いからといって余に進呈したというわけだ。

弾抜きだが、知人は余を頼ったことは正しい。いろいろな方式があって、素人には極めて危険なのだ。このピストルも弾倉の取り出し方が旧式で危険で、余のクラシック・ガンのコレクションにはいいが、実際の護身には使いたくないものであった。