Comments by Dr Marks

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バーミンガム大の棄教者マイケル・ゴールダー先生が死んでいた

Michael Goulder 博士が退職したのは26年も前。享年83歳だと思う。今月25日にバーミンガム大で告別式がある。懐疑主義全盛の頃に活躍して、1981年には英国国教会の聖職を辞したが、1984年まではバーミンガム大学で教えていた。新約学、旧約学、古代史に及ぶ研究領域は、イートンケンブリッジで培った古典語力に加え、オックスフォードでの神学関連の研究に負っている。彼は、「有能な若者に世俗の将来を捨てて聖職の道に入れとは薦められない」といって英国国教会を辞した。信仰は捨てたが、研究は続けていた。彼は悪い時代を生きたかもしれない。

The Train(1964年作品)を観て思った:文化財であろうが芸術作品であろうが鯨であろうが信仰であろうが、人間の命より重いもんか、クソくら屁!

この映画は、ドイツ軍がフランスの美術館から絵画を盗んでいくのをレジスタンスの連携プレーで阻止するという2時間半もかかる映画だったが終りまで観てしまった。観てしまってやるせない。芸術家等からは叱られるかもしれないが、高が絵画のためにどれだけの人が死ななければいけないのかと思う。馬鹿らしい。白黒映画なので、ますます気が滅入った。もっとも、封切られた当初、ドイツ兵はあんな簡単に捕虜を殺しはしないし、たとえレジスタンスの闘士でも無抵抗の者をそのまま殺しはしなかった、との抗議があったらしい。お相子かもしれないが、主人公のラビィシ(Burt Lancaster)は怒りに任せ、戦う気のないドイツのフォン・ヴァルトハイム大佐を殺したな。他に誰もいないラストシーンで。どこまでも嫌な映画だ。