Comments by Dr Marks

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事件の目撃には2種類ある。断片的な目撃と一部始終の目撃は異なる。尖閣ビデオ、法廷の証言、聖書の証人など。


かつて、パピアスに関して証人(目撃者)のブログを書いたが、今日は尖閣問題のビデオも出たことだし、目撃には2種類あることを簡単に述べる。なにしろ余は忙しいのに何か書きつけようという病にも似た強迫観念があるから大変なんだ。かつて10年ほど少なくとも日曜日には教会に休まず行き続けたような病気なんだ。あんときも入院してても教会行ったな。世界中どこにいても行った。

閑話休題。まず、全6巻の尖閣ビデオだが、あれは一応「一部始終」の目撃証人的なものであった。まず、共産支那の漁船が日本の領海で操業しているところから始まり、警告に応えず、挙句に海上保安庁の2隻に体当たりしているところまで一部始終を写しているから、自然に全体のストーリーないし意味がわかる。(参照:http://www.youtube.com/user/jzznlykobe

念のためだが、「一部始終」とは一部を取って初めから終わりということではない。ある一まとまりの出来事に関して初めから終わりという意味である。もともとは書物一つ(一部)の初めから終わりという意味であった。こんな注釈をしていると馬鹿みたいだが、近頃の日本人は「この素晴らしい歌たち」とか、歌にまで「たち」を付けるような質(「たち」と読むんだぞ)の悪い日本語を使うようになったが故の「念のため」だ。

福音書は、最初のマルコ伝を踏襲したからとも言えるが、ヨハネ伝に至るまで初めから終わりまでの目撃者というのはペテロなのだ。福音書というの本の一部始終の証人はペテロである。イエスの十字架刑と復活の朝までの最も詳しい目撃者が女たち(この「たち」はいいんだよ)という見方もあるが、その間のストーリーないし意味の把握があったかどうかでは、やはりペテロに劣るであろう。

女たちの、イエスの死と復活の目撃は、確かに重要である。法廷において目撃者は事件の全容を知っていようがいまいが、ある特定の点(時空とも)での確かな目撃を証言する。ストーリーは、検察や弁護側、更に陪審員や裁判官にあればよく、目撃者はむしろ一部始終など知らずに点での確たる証言ができればいいのだ。

尖閣ビデオSengoku38氏は、一部始終を提供しようとしていた。(Sengoku38氏は既にYouTubeを削除。)マルコも(そして、その他の福音書記者も)イエス・キリストの出来事の一部始終の証人(目撃者)はペテロであることを提示しようとしている。