Comments by Dr Marks

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ペテロの魚とモーセの魚―過越しの祭りに

細君と日曜の大学図書館へ。キャンパスも図書館もがらんとしていて静か。また、今日は、4月中によくあることだが、非常に寒い日で、空気が冴え渡り気分がすっきりする。メルニックが竹田先生を引用しているかと思ったが、引用はしていない。しかし、借りてくる。

古代史のDVDを観た。現地取材に基づくものは、やはり単純に感激する。ドライブ中に、そのことと、聖書が嘘ばかりという聖書を知らない日本で哲学を教えているらしい人のブログについて考えた。そう、聖書は嘘だらけ。歴史的なことでも歴史そのものと思ってはならない。しかし、すべてが神話であるとか、後世の作り物と断じるのも早計である。第一、そのような一面的な読み方では、物語の本意を取り損なってしまう。

ユダヤ教徒ではないので、今年も過越しの食事はしないが、マッツォ(パンだねなしで焼いた板状のパン)は早々に貰っていたのと、細君がサラダにロメインレタスを刻んだので食べた。羊は食べず、代わりに食べたのがLAダウンタウンの日本人街で買ったウルメイワシ。はらわたが苦いから苦菜を食べた気分だ。

ゲフェルトフィッシュ(ユダヤ人が食べるアジなどからつくるツミレの一種)の缶詰をたくさん貰ったので、明日来る友人たちに出そうと思ったが止めた。日本人もいるので、冷凍庫にあった鮭を解凍して料理することにした。だいたい、このゲフェルトフィッシュの缶詰は日本人の友人が食べ方がわからないといってくれたものだが、ツミレを食べるくせに見た目で嫌がる。普通は冷やして食べるが、おでんに入れて食べても構わない。全くのところツミレなのだ。ユダヤ人が好むクリームとたまねぎに漬け込んだニシンも、本当は日本人の口に合うはずなのに、あまり日本人が食べるという話は聞かない。

イスラエルのことを知っていると、ガリラヤ湖のペテロの魚は知っているかもしれない。Blue Tilapia(フナやタイの形で白身の魚)の仲間だ。それでは、モーセの魚とは? 因みに、日本語でモーセの魚で検索するとなかなか出てこないが、英語ではすぐに出てきた。そう、エジプトのゴシェンの葦の海にいるカレイの仲間だ。カレイやヒラメは片側が黒くて片側が白い。だから、地元の漁師はこれをモーセの魚と呼ぶ。なぜかって? モーセが海を裂いたときに一緒に身が裂けてしまった魚の子孫だそうだ。大笑いだが、聖書など読んだことのないエジプトの漁師がそんな話を伝えているらしい。