Comments by Dr Marks

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反時代的考察―戦争と死刑に関するショートコメント

「大学教師や知識人、マスメディアの世界」の論調に抗うことが反時代と猫猫先生が書いていたが、その通り。Katz and Lazarsfeld のオピニオンリ−ダー(opinion leadership)論であれ二段階情報流通(2-step flow )理論であれ、「大学教師や知識人、マスメディアの世界」が大衆(masses)を煽動して時代精神が作り上げられてしまうという基本的理解に間違いはなかろう。(大学教師や知識人、マスメディアの世界が悪いと言っているのではない。それだけ責任が重大だということだ。)

大衆出版天国の日本ではとくにそうらしい。なにしろ識字率100%だって威張ってる国だから。ひょっとしたら日本の大学教授も大衆レベル? 日本で人気の哲学者(神学者の人気は皆無だから仕方なく)を新刊書名で検索したら、やたらとフランス系の哲学者名が踊っている。うん、そういう仏系(←仏教系じゃないからね)哲学者はアメリカでだって人気はあるよ。でも、その多くの哲学者はアリストテレスデカルト、カントなど基本をしっかり押えたうえでの論客だが、日本で紹介している人たちもその基本を押えている人たちであるように祈る。(日本には聖書読まない神学者がいるんだよ。しかし、まさか基本押えない哲学者はいないだろうね、そう願いたいが。そうでないと、四則計算ができないうちに微積分に取り組むようなもんだよ、諸君。)

死刑や戦争が好きな人はいない。そりゃそうさ。人間だもの。しかし、戦争というと何でも悪いと思っている日本人は人間としてどうかと思う。今の平和ボケ日本は、第二次世界大戦でのアメリカ人兵士30万人以上(その内日系アメリカ人兵士1200人以上)をはじめとする世界の多くの戦死者の犠牲のうえでの<戦争>によって作られた。戦争をやらなければならないときは<戦争>をするべきだし、死刑を適用しなければならないときは<死刑>にするべきだ。

このように言えば、「右翼」と思うのは勘違いだろう。これらの<戦争>や<死刑>は人間が人間として平和に豊かに暮らすうえで必要なことであり、このことが理解できないようでは、人間の頭脳と心を持っているとは思えない。(現在残っている3人の大統領候補のうちでそれが理解できないのはオバマだけ!)