Comments by Dr Marks

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SBL Boston 2008 の前のサンタバーバラ(Montecito地区)の大火事

大火事http://www.ktla.com/content_landing_page/?Fire-Threatens-Oprah-Winfreys-Santa-Barb=1&blockID=135074&feedID=1080
SBL Boston 2008 http://www.sbl-site.org/meetings/Congresses_ProgramUnits.aspx?MeetingId=12


どういうわけか知らないが(Tea House?)この火事に "Tea Fire" などという優雅な名をつけたらしい。昨晩から今朝にかけて、折からの強風で火は瞬く間に広がった。(←まさに陳腐定型文!)ウェストモント大学(Westmont College)のすぐ近くなので心配だった。それにわが師の一人、ガンドリー(Gundry)先生は今でも大学の側に住んでいる。大学の辺りは避難警告地域(強制立ち退きではない)になったらしいが、火は及ばず100軒ほどの家を焼いて鎮火したようだ。モンテスィトに近い大学の寮の一部は火を受けたらしい。(日本の旧制高校みたいな4年制大学で寮生が多い。勉強熱心で、卒業後アイヴィーリーグの大学院に進む者も多い。)

100軒といっても、そんじょそこらの家とは違う。サンタバーバラ郡モンテスィト村といえば、オプラ・ウィンフリーの42エイカーの別荘とか金持ちの家ばかりだ。森の中の邸宅から海を眺めて暮らすらしい。しかし、ウェストモント大学やガンドリー翁の辺りは、鬱蒼とした森の中とはいってもサンタバーバラの市街地に近く、先生の家も普通の家だ。

サンタバーバラといえば、UCサンタバーバラ校(University of California, Santa Barbara)が市中最大の大学で、まあまあの水準。グノーシス研究ののピアスン(Pearson)先生がいる学校だ。グッドエイカー(Goodacre)先生のほかに、このピアスン先生も今回の学会で面白そうなのは Secret Gospel of Mark の最近の話題を取り上げることだ。この故モートン・スミス教授が発見したとする『秘密のマルコ伝』の断片は、私の日本語での紹介と断片の全訳が、次の本家のページにある。*1 → http://markwaterman.blogspot.com/2007_06_21_archive.html

ピアスン先生の取り上げる最近の話題というのは、二人の新約学の素人が、深夜苦学(シンヤクガク、汗;)してこの Secret Gospel of Mark について本を出しているからだ。いあや、素人といっても只者ではありませんぞ。なにしろ本にして出すくらいですから大したものだ。一人は Stephen C. Carlson という法律家で、この名前で打ち込むと彼のブログがいくつも(よくやるよ、若いからな)出てくるので、興味があれば勝手にどうぞ。もう一人は、プリンストン大学(Princeton University)の音楽史の先生で Peter Jeffery だが、こちらのブログはわからないものの、名前を打ち込めばホームページが出てくる。

驚いたのは、ジェフリー先生は、日本語で書いた記事なのに私のブログのあるページをホームページの中で紹介リストに入れている。いったい誰が読めるんだ!?! 実は、そのページは彼の本に対するブラウン先生の書評の話題なのだが、その後日談の話題のほうが詳しいのであってそちらにリンクするべきなのに、日本語の読めない悲しさよ。まっ、どうでもいいけど、あそこから私の本家を覗き込んでがっかりするわけだな。かわいそうに。

*1:見てもらえばわかるが、断片の前後のクレメンスの手紙も訳している。要するにスミス教授が発見したという手書きのメモ全部の日本語訳。訳者名として Mark W. Waterman としていただければ、引用自由です。ギリシア語からの直接訳です。