Comments by Dr Marks

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Edwin M. Yamauchi先生とKimie奥様、そして慌ててる秦剛平先生

Edwin M. Yamauchi といえば、日系アメリカ人聖書学者として最も有名で業績も優れていると言えるだろう。なにしろ22の言語に通じているのだ。現在、教育の一線からは退いてマイアミ大学の名誉教授。午前中のパピルス学の発表時に若い人に声を掛けたりフロアから質問していて元気だなと思っていたら、結局わたしも声を掛けられることになってしまった。

そこを早めに飛び出して出版社の展示販売場(とてつもなく広い)をうろうろして最低限必要なものだけにしようと思ったが、それでも5冊せしめた。欲しかったが売り切れだったのは2冊。学会場には最新刊ばかりが揃うし、たいてい4割―5割引きなので嬉しくなって買いすぎてしまう。言っておくが、アメリカでは教授でも自分の本は自分で買うのであって、図書館の本にして(つまり校費にして)自分が使うということはない。だから、故ショーラー先生は重くて持って帰れなくなるから200ドル以上は買うなよと言っていたものだ。

著者名と本のタイトルだけ(日本アマゾンでないので商品に出て来ない):S.J. McGrath, Heideggerハイデッガー批判), T.B. Dozeman & K. Schmid (eds.), A Farewell to the Yahwist?(J文書理論なんか古い?), P. Fredricksen, Augustine and the Jews(アウグスチヌスのユダヤ人とユダヤ教理解), B.R. Gavanta & R.B. Hays (eds.), Seeking the Identity of Jesus(史的イエス学者の個人的体験), R. Williams, Dostoevskyドストエフスキーの信仰と作品)。何だがまとまりのない興味と言われそうだが、私の中では統一しているつもり。哲学から文学まで私の神学の範囲なんです、はい。いずれも今年の出版物。

5冊の本の中で1冊は只でもらった。その本が積んであるところに行ったら、あと30分で著者が来てサイン会をしますと言う。私は30分なんて待てないし、著者のサインなどいらんと言ったら、出版社の人が「内緒ですよ、カバンに隠して持っていってください」とすぐにくれた。まあ、私の行いがいいから(嘘!)只で著者に内緒で早めにくれたわけだが、只というのはよくある。つまり、学生用の教科書に使ってくれというわけだ。

そうそう、Yamauchi 先生を忘れるところだった。奥様のKimieさんが本の展覧会場でうろうろしている私に気づいて声を掛けてきた。多分、フルタイムの仕事探しでもしているのではないかと、声を掛けてくださったのであろうが、あいにく私は必要がない。そうこうしているうちに先生も追いついてきた。しばらく立ち話をしてお互いの E-mail address を交換した。私の大伯父がハワイ大で教えていた頃に、先生は学生だったらしい。この夫婦も、細やかな心遣いの奥様で持っているのだなと思った。まさに典型的な牧師夫人だ。

秦剛平? 多摩美大教授の彼だよ。どうやら、同じホテルに泊まってる。「二階だ、二階でおろしてくれ」ってエレベータであせっていたよ。小柄なおもろいおっさん先生。65−66歳だと思うが、エネルギッシュで、いかにも学生に人気がありそうだ。あの純粋な感じでせっせとヨセフスとか訳しているのね。Finalventさんの先輩かな。