Comments by Dr Marks

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コネなしで大学教授になるのは至難の業―なに、蝶ネクタイとか機内持ち込み旅行カバンの話ですよ

雑踏の中、買い物に行って買うべきものは何もない。いや、赤に近いえんじ色で無地の蝶ネクタイ1本だけ買った。75%引きだったから只みたいなものだ。今回の学会場では年寄りのほかに若者数名が蝶ネクタイをしていたが、昔に比べれば少なくなった。なんでも、日本の外務省の役人は蝶ネクタイをしてはならないというお達しがあるそうだ。代議士さんに嫌われるからだそうだ。今なら二代目三代目はおろか、四代目五代目のお坊ちゃんが議員になるくらいだから、蝶ネクタイごときで妬まれることもなかろう。

もっとも、近頃の学会場は、私もそうだが、発表するときや座長にでも指名されていなければ、ノーネクタイにコットンパンツのほうが主流で、壇上に上がる場合でもノーネクタイが増えだした。期間中ずっと背広で通すほうがむしろめずらしい。それこそ、蝶ネクタイなどしていたら、下手をするとホテル側のウェイターにでも間違われるかもしれない。「おい、君、ジャーに水が入っていないよ」なんて言われちゃう。

小谷野先生が猫猫ブログで、博士号など就職するつもりなら持たないほうがいい場合もあるよとか、若いのに業績がありすぎるのもしかり、などと書いているが、それらはいずれも「蝶ネクタイ」で、普通は疎まれるだけかもしれない。蝶ネクタイするのなら、何らかのコネがなくちゃ。門地とか金持ちでもいい。何にもなくて蝶ネクタイだけで大学教授になるのは至難の業だ。大学か大学院の少なくともどちらかで一流の大学を出て、なおかつ蝶ネクタイを着けていても、なんとか有力者に縁のある嫁さんでももらわなければ大概は無理と思ったほうがいい。公募だ業績だって言っても、聞いてご覧、99%の大学教授は誰かの紹介だから。これは日米ともに事情は同じだ。

2時間も歩いて、買うべきものというのはなかなかないものだと思っていたら、結局ネットで見つけてしまった。しかも、After Thanksgiving で25%引きだから早速注文した。Two-day carry on のガラガラ引っ張る cowhide の旅行カバンだ。なに、two-day と言ったって、1週間でも10日でも、それに普段のリュックを背負えば十分である。第一、大きなものを持って移動したり観光するのは難儀だ。来年も海外だけで2回出掛ける予定なので早々の準備のつもりだ。届いて見なければわからないが、蝶ネクタイ並みになかなか良さそうだ。手荷物検査の際に、パソコンを素早く取り出すことができるのもポイント。(パソコンは必ず裸のままで機械を通すから。)

今回、FAAの基準(縦横高さの合計が45インチ)を満たすサムソナイトのキャリーオンの旅行カバンで出掛けた。往きは良かったのだが、帰りに変な計測枠に入れられて、飛行機の搭乗口でいきなりカバンを取り上げられた。お陰でバッゲジクレームで時間がかかり、迎いの車を待たせる羽目になってしまった。帰りには買った本などで膨れすぎたのが原因だが、後で調べたらFAAの基準ではなく、各航空会社の定めたサイズはやや長細く薄めになっていた。そういえば、長さは余裕があるのに厚みで引っかかってしまった。さあ、今度は大丈夫だぞ。