Comments by Dr Marks

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寝る前のイーディッシュは、いーでしゅよ。イーディッシュの歌ひとつ。「わが町ベルツ」おまけで「イーディッシュの子守唄」とショローム・アレイヘムの作品「レブ・モイシェ」の原書朗読

イーディッシュ(Yiddish)というのはイーディッシュ語でジューイッシュ(Jewish)の言葉あるいは「ユダヤの」という意味。日本語はドイツ語と同じ発音でヤパーニッシュ(Yapanish)。なお、イーディッシュでユダヤ人(Jew)はイドゥ(Yid)という。

聞くとわかるがまるでドイツ語。実はむしろ低地ドイツ語かオランダ語。なにしろ、起源は現在のリトアニアという説もあるくらいだから。語彙にはそのドイツ語(中世ドイツ語を含む)やヘブル語、アラム語がまじり、歴史的な関係からロシア語、ポーランド語、チェコ語ルーマニア語等々がまじる。文字はローマ字ではなくヘブル文字を使う。

アシュケナージ(北東ヨーロッパ系ユダヤ人)の共通言語で、ピークの1940年頃は1,500万人の第一言語だった。ところが、この言語を衰退に導いたのはユダヤ人自身であり、1948年のイスラエル再建の後は、復活へブル語にイーディッシュが駆逐された。しばらく前(20年前)まではアメリカのアイヴィーリーグをはじめ、主要大学にはイーディッシュ文学の講座があったが、次第に消えつつある。元国務長官コーリン・パオウェル将軍はイーディッシュを解する。

歌を一つ。題は「わが町ベルツ(マイン・シュテッテーレ・ベルツ)」だが、シュテットルとはユダヤ人居住村のこと。作曲家も作詞家も同じ1892年生まれ。二人で懐かしい故郷を歌にしたもの。ベルツの町は現在のポーランドウクライナの国境の町で農村地帯。町はウクライナに所属。

おまけです。二つあります。