Comments by Dr Marks

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イーディッシュ語とドイツ語の比較言語学(一実験)


前にどこかで書いたので繰り返しになるが、初めての人もいるので、ごめんなさい。それに、どこだったか忘れたし、今回面白いヨウツベも見つけたので、新たに紹介する。

イスラエルでタクシーの運転手がうまく英語を話すので誉めてやった。(イスラエルのタクシー運転手は皆英語ができるというのは言い過ぎ。田舎に行って捕まえると英語のエの字もできない運転手もしばしばいる。)

ともかく彼はヘブル語だけではなくアラブ語も流暢なのでほめてやったのだ。(なお、知らない人もいるかもしれないので念のため。イスラエル公用語はヘブル語だけではない。ヘブル語に並んでアラブ語も公用語だ。)

すると調子に乗ってドイツ語もできるというからドイツ語で質問した。返ってきた答はイーディッシュ語! 念のため話し続けると明らかにイーディッシュ語。驚いて臍がでんぐりかえりそうだった。ぐっと笑いをこらえ、降りてから大笑い。イーディッシュ語を耳学問してドイツ語と信じている人がいるのだ。

だがね。ご覧のとおり、無理もない。イーディッシュ語を担当したユダヤ人は明らかにドイツ語もできるらしく、しばしばドイツ語のほうに行きそうになるので必死にこらえている。

(なお、ドイツ語でもイーディッシュ語でも「話す」は「レーデン」が共通するので二人がそれを使えばもっと似せることができたが、Minna Wagner という人のコメントどおり、ドイツ語では「レーデン」より「シュプレッヒェン」が日常的なので、このヨウツベが妥当。)