Comments by Dr Marks

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ほんの便利と不便

「ほん」は「本」のことだが、掛詞ないし地口合せは英語では pun(パン)で、あまり上等な洒落とは思われていない。それなのに教室で a student をエイ・スチューデントなどと無理矢理強調するものだから、面白がるのもいるがたいていは寒い洒落ということで冷たい目で見られてしまう。(解説すると馬鹿みたいになるが一応念のため。不定冠詞 a は通常は「ア」と読んでも強調したりはっきりさせる場合は「エイ」と読むのが慣わしだが、「エイ」と言うと、「A」スチューデントすなわち成績がAばかりの優等生の意味にもなる。)

どうやら、日本アマゾンの調子がおかしいらしく猫猫先生finalvent さんも書いていたが、私は嫌な目に遭ったことはない。まるで国内から来るみたいに注文して二三日でL.A.に届くのだ。もっとも、日本アマゾンで問題なのは、「お取り寄せ」の本のことなので事情は違うかもしれない。私はもともとすぐ発送してくれるものしか日本には注文しない。ただし、1冊だけでは送料が割高になるので数冊まとめて送ってもらう。そうすると、送料も気にはならない。(それにしても高いが。)

フラーの図書館が不便だ。新刊増築で開架アクセスが制限されているほか、夜も9時までだし、土曜日などは5時で閉館する。(土曜日も朝8時から夜10時30分までだった。工事が一段落して整理がつく5月中旬まではだめらしい。それでもクレアモントの神学図書館よりは開館時間が長いのだが、今のような仕事の状況の場合は、早い時間の閉館は応えるし、入庫制限はほとほと困る。

昔のオンボロ図書館とは違ってお洒落なビルになったし、閉館を告げるアナウンス一つをとっても都会的になった。(ただ、立ち去るときに椅子を引いたままにしないで押し込んでから帰るようにというのはナンタルチヤ。幼稚園じゃあるまいし。)

やはり私は、昔の素朴な雰囲気が懐かしい。夜間の図書館員は学生アルバイトがほとんどで、閉館時間が近づくと大きな声で「終わりだよー」とどなって、全館に昔のベルがじりじりと鳴ったものだ。近くの学寮に住む学生の子供などが図書館員相手に遊んでいたりしたものだ。のどかだった。

そんな図書館でも内容的には(つまり所蔵内容)南カリフォルニアの神学書拠点図書館であるばかりか、西海岸最大の神学図書館だった。いい加減な管理も便利さの大きな要素だったように思う。さて、5月以降の運営状況はどうなることやら、心配でもあるが期待もしている。