Comments by Dr Marks

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You Deserve the Sweet Life(あんたは甘い生活を送って当然)の猫にも悩み:鳥を襲う猫と、猫を襲う鳥

今日(西海岸時間22日)の夕刻、生意気なキャプションを付けて横になっているので写真を撮ったが、こいつにも悩みはある。エジプト猫のルーファス君は、わが家の家の中にはベッドが四つあるが(野生の習性で続けて同じところでは寝ない)、外にも数箇所お気に入りの場所がある。これはその一つ。本当は隣家の馬鹿のジャックの飼い猫なのだが、ジャックは馬鹿だから、馬鹿の嫌いなルーファス君はほとんどわが家とわが家の庭に住んでいる。

ジャックがどれだけ馬鹿かというと、音楽家ということで立派な家を親に買ってもらって一人暮らしをしているが、家のこともろくにできないし、どれだけ稼いでいるかも疑問。ゴミ箱を出すことさえできず、親が頼んだので毎週来る庭師が代わって出している。毎週月曜日は道路のこちら側、火曜日は道路の向こう側がストリート・クリーニングで、それぞれ午後1時から3時までが駐車禁止になる。ところが、車を置いたまま昼過ぎまで寝ているので、この半年間に見かねた近所の人に、駐車違反の切符が切られないよう、三度も叩き起こされたらしい。

多分、こんな高価な猫を買ってもらいながらろくな世話をしないので、ルーファス君は彼を見捨てたのかもしれない。とすると、ルーファス君の悩みはジャックが馬鹿で世話をしてくれないことかといえば、そうではない。わが家で手厚いもてなしを受けているのだから、ジャックなどどうでもいい。悩みはそんなことではない。

ルーファス君は狩猟上手な猫なので、「飛ぶ鳥を落とす勢い」という言葉があるが、実際に地上の猫なのに上空の鳥をハントする。屋根の上から捕まえたり、地上に虫などを獲りにくる機会に襲うらしい。足のみならず動作が普通の猫より素早い。助けにきた鳥まで、つまり「一石二鳥」ですな、一緒に捕獲することがあった。だから、外で鳥の声がするとうきうきしてハンティングに出かける。

ところが、最近は逆に鳥に襲われている。もちろん鳥は猫に襲われてばかりではなく、逆襲する。しかし、今頃、巣作りの季節には、一般にだが、鳥に猫が襲われるケースが増える。ルーファス君もご多分に漏れず襲われだした。なぜかというと、理由は二つ。まず、巣の近くに来る猫を、鳥は身をもって牽制する。次に、猫の毛をむしって巣作りの材料にする。このことは、猫好きの方ならすでにご存知だろう。猫が鳥に追い回されて逃げ惑う姿は珍しくない。 

ルーファス君はそれほど軟弱ではない。しかし、近頃は結構敵のミサイル攻撃にあっているらしく、背中の毛がむしられていたりするし、そのせいか少々神経質になっている。まあ、それでも庭の You Deserve The Sweet Life と書かれた段ボール箱の中で寝そべってご満悦のようだ。

あっ、そうそう、ルーファス君は、馬鹿のジャックと違って字が読めるんだ。だから、ここに寝てる。