イーディッシュの子守唄(気が利いたものは故郷を去る、気落ちした木を残して)
以下は、逐語訳ではない
道端に一本の木があり、風に向かってしなっていた
鳥はみな木の枝から去り、木は一人ぼっちで守る者もなし
子供がいて、母に言った
僕は鳥になって、木の枝に止まって
歌でなぐさめるんだ、冬の間ずっと
だめよ、坊や、と母は泣いた
あの木の上に座っていたら、お前は凍えて死んでしまう
だけど、坊や、どうしてもなら、
襟巻き巻いて、長靴履いて、
毛皮の帽子と温かい下着を忘れないでお行き
ヤム、タリタリ、タリタリタリ
タリタリタリタリタリタン
ヤム、タリタリ、タリタリタリ
ターリ、タリターン
子供は歌いながら言った
これじゃ僕は、翼を上げても飛べないよ
着ているものが重過ぎる
僕は母さんの目を悲しげに見つめて知った
母さんの愛が僕を行かせまいとしていることを
だって、僕が鳥のようにいなくなっては困るから
ヤム、タリタリ、タリタリタリ
タリタリタリタリタリタン
ヤム、タリタリ、タリタリタリ
ターリ、タリターン