Comments by Dr Marks

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No. 10.

ヴァヴヴァヴ(וו)、ザインシン(זש)、ダレッドザインシン(דזש)、テスシン(טש)、ヴァヴユッド(וי)、ツヴェイユッド(יי)、パセフツヴェイユッド(ײַ)、さあ今日でアレフベイズ続編は終り! めでたし、めでたし。

今日の学びはアレフベイズの正式メンバーではないがイーディッシュの読み書きに欠かせない結合綴りをやろう。ちょうど “th” の結合を英語では舌をはさんだスと読んだりドイツ語などではトと読むようなものである。YIVOの発音見本にあるように7種類だ(http://www.yivoinstitute.org/yiddish/alefbeys_fr.htm)。

初めのヴァヴヴァヴはツヴェイヴァヴともいう。ツヴェイとは二つという意味だ。要するにヴァヴが二つ重なったもの。発音見本があってヴォルフ(volf)のヴ “v” の音。意味は英語のウルフ(wolf)狼のこと。次のザインシンの発音見本はジャーべ(zhabe)の ジ “zh” の音。意味は蛙(frog)。次のダレッドザインシンには音見本がないが、音訳すればジ “dzh” の音。

次のテスシンには音見本がある。チェレパッヘ(tsherepakhe)のチ(tsh)の音。意味は陸亀tortoise、英語の発音トーティスにも注意)。なお、海亀(英語のturtle)はヴァッサーチェレパッヘという。ヴァッサーは水。以下は音見本がない。ヴァヴユッドはオイ(oy)と発音。ツヴェイユッド(ユッドユッドと言ってもいい)はエイ(ey)と発音。最後が、パセフツヴェイユッドでアイ(ay)と発音する。ツヴァイユッドの下にアンダラインがあることに注意。

以上であるが、多分、すぐに気づくのがワに使う “w” 音がないことだ。実はヴァヴヴァヴ(ツヴェイヴァヴ)を使う。ヴァヴ一つだとウ “u” の音なのでヴ “v” の音に使うヴァヴヴァヴで代用する。だからワシントン(Washington, וואַשינגטאָן)だし、ウォーターマン(Waterman, וואַטערמאַן)となるわけだ。ここまでの知識を使えば、自分の名前を書けると思う。

次回よりは短文を読みながら文法の説明もする。文法といっても驚くな、めちゃくちゃなんだから。困ったもんだと思うと同時に、多少の間違いはどうでもいいと考えることもできる。確かにイーディッシュの文学はあるが、主として音声によるコミュニケーションの言語なのでそれでいいのだろう。そう考えると、気が楽になって、リラックスできる言語と言えるかもしれない。

ネヴァダにいる81歳のラリーおじさんがクリスマスカードにバルミツバ(13歳)の頃の写真を入れて送ってきた。信じられないようなかわいさだ。そのうちブログで紹介する。ところで、余の身近な者の中には以外にイーディッシュが通じる者は少ない。しかし、彼はまだイーディッシュがわかるようだ。今度会ったら、余の会話能力を試すつもりだ。同時に彼のイーディッシュも試してやる。