Comments by Dr Marks

出典を「Comments by Dr Marks」と表示する限り自由に引用できます

ドナルド・キーン先生、齢八十八にして日本帰化を企画(いや、笑っちゃいけない大真面目なんだから)

コロンビア大学のDonald L. Keene 先生が今学期の終わりに最終講義をしたら日本に移住するらしい。NHK World News で流れたので、総合テレビでも流れたのかどうかわからないが、今朝のその英語ニューズの動画を載せておく。へへへ、英語ニューズといっても先生は日本語で話してるよ。

ねっ、アメリカの私立の大学は88歳になっても講義してるんだよ。だから余は八十すぎたら暖かい季節だけハーヴァードで講義すると常々言っているんだよ。鈴木大拙と同じで八十過ぎてからハーヴァード大学教授だ。それまで業績積んでおかなきゃな。もっとも、八十も過ぎれば若い人のような給料はもらえない。必要経費だけだな。だから大学にも都合がいい。

それはともかく、この日本文学者にして有名な日本文学の紹介者にして英訳者は、何をいまさらと思ったら、地震のせいで(というより原発のせいなのだが)外国人が大挙して日本を引き上げるので、自分が日本に逆に行ってみせるというのだ。それと彼の仕事の一つが芭蕉の「奥の細道」の翻訳だから、特別なんだべ。行くだけではなく、日本と(日本人じゃなくてニッポンと)結婚して日本国籍取得を目指すと語っているだろう。まあ、その他のことは日本語でしゃべっているので本人から聞いてください。

一人身だし、財産もあるし、年金もあるし、なにしろ文化勲章受章者なんだから、高齢を理由に、申請があれば日本政府は異例の早さで帰化を認めるだろうね。ところで、日本国籍取得ということは、先生、アメリカ国籍離脱証明いりますよ。それでね、日本が急いでくれても、IRSの事務が時間かかります。税金のために国籍離脱するのが多いからじっくり調べられる。

関東大震災で東大図書館が全壊したと知った貝塚で有名なモース博士は、自分の全蔵書を東京帝國大学にに送ったんだよな。親切だった。親切なアメリカ人学者は結構いるんだよね。キーン先生もそうか。元気で日本でいつまでもお暮らしください。彼らも喜ぶよ。

なお、今気づいたが字幕の「信念」は聞き取り間違いだと思う。彼は確かに「信頼」と言っている。そのほうが文脈にも合っている。余は長年アメリカ人の日本語の発音を聞いているから間違いない。英語を話す人は日本語の二重母音が下手なんだ。だから、この点についても、マルクス博士の言うことに間違いはないのだよ。