「悲しい目」も「市場」もない子牛(ドナまたはダナ)の歌 #Yiddish Song
誰だ? Joan Baez の歌か、などと間違いの場違いの罰当たりをほざいてるのは。そう、元々はイーディッシュの歌詞だ。なお、余は一貫してイディッシュではなくイーディッシュと片仮名で表記しているが、そのほうが適切だからである。余に従うものはイーディッシュと表記すべし。
それでね。表題の話だけど、元々のイーディッシュの歌詞には、英語の歌詞にあるような悲しい目(mournful eye)も市場(market)もないんだよ。もっとも、一部の歌詞が違うものもあるのだが、それでもこれらの言葉は含まれていない。
単に「荷車の上に子牛が綱でつながれている」というだけなんだ。もちろん、「風が笑う」という言葉はあって、その対比は凄い。だからといって英訳は(英訳も一つではないが)余計な想像が多すぎるんだよ。
だったら、お前が訳してくれって? 実は辞書をガッコに忘れてきちまってな、明日取りに行ってからにするよ。いやいやいや、訳してしまっちゃ、だめさ。どんな訳も多少は裏切ることになる。
・・・えーと、最後に一つのおまけ。ほら、繰り返しの「ドナ、ドナ、ドーナ、ドーナ、ドナ、ドナ、ドーナ、ドー」ってのがあって、最後が「ドー」だろう。これな、イーディッシュなら意味があるんだ。単なる語呂合わせじゃない。子牛のドナが「ここにいる」という意味になるんだよ。