Comments by Dr Marks

出典を「Comments by Dr Marks」と表示する限り自由に引用できます

Entries from 2010-04-01 to 1 month

ショローム・アレイヘムの小説『永遠の命』(第五回)

すると突然、御者がほがらかな声で馬にドードーと言っているのが聞こえた。暗闇の中で、神に感謝し、胸に安堵の十字*1を切っていた。私は起き上がって辺りを見回した。遠くに灯(あか)りが見える。灯りはちらちらと輝いたかと思うと消えうせ、またちらちら…

ショローム・アレイヘムの小説『永遠の命』(第四回)

無断転載禁止。舞台は帝政ロシア時代末期のウクライナ。ポグロム(ロシアのユダヤ人虐殺)が始まる前で比較的平和な時代。 毎回、次号に「続く」をどこにするか考えている。今日の場合、「あれっ、これって怪奇小説?」と思ったかもしれないが、断然違う。む…

対で覚えるイディオム "Enough is enough!" と "I wish you enough!" (口語英語表現でごまかすブログ No.17)おまけ “Sick of it all!”

三重の祝福をヘブル語でどうぞ。 今日の小説連載は、どうしてもあそこで切りたかったので少し短い。おまけに訳者註の「おまけ」もない。それでは毎日訪れてくださる定期購読者(お金を払っていただいたことはないのですが)に申し訳ない。ふと、思い出したの…

アレイヘムが言うように実にうるさい三重の祝福だが、うつくしいものもある

ショローム・アレイヘムの小説『永遠の命』(第三回)

小説の本文無断転載禁止。脚注のみは訳者(私)の専有著作権のため転載自由。脚注は専門の立場からウンチク傾けとります。いよいよ面白くなりまっせ。サスペンスものでんな。舞台は帝政ロシア時代末期のウクライナですが、ポグロム(ロシアのユダヤ人虐殺)…

ショローム・アレイヘムの小説『永遠の命』(第二回)

無断転載禁止。訳語は一部どうしても古い日本語を使いたくて振り仮名などつけてみました。舞台は帝政ロシア時代末期のウクライナですが、ポグロム(ロシアのユダヤ人虐殺)が始まる前で比較的平和な時代です。家を出たのは昼にたっぷり食べた直後だし*1、例…

先日のメキシコとカリフォルニアを襲った M7.2 の地震は「Mexicali 地震」と名付けられた。震源地がメキシコだからだ。震源地がカリフォルニアならどのように名付けるのだろうか。わかればあなたはカリフォルニア博士。

メキシコとアメリカの国境に、本当にメキシカリ(Mexicali)という町がある。メキシコとカリフォルニアの合成語だ。所在地は国境線のメキシコ側。同じ町の米国側をカレキシコ(Calexico)の町という。従って、答は「Calexico 地震」。実際にそうなるかどうか…

メキシコ中部のバハ・カリフォーニア地震(M7.2)で2人死亡、100人以上けが

西海岸時間4日日曜日午後3時40分頃、L.A.市内の自宅で机に向かっていて大きなゆれを感じた。たった1回のゆれであったから、疲れてめまいがしたのかと思ったのだが、テレビをつけたらいつものカルテック大学の地震班が M7.2 だと報じている。http://www.cn…

ショローム・アレイヘムの小説『永遠の命』(第一回)

忙しく記事ができないときには翻訳小説を掲載する。新聞小説の数回分の量にした。この小説に関しては無断転載を禁止します。聞いてくださるんなら、かつてわが身に降りかかった苦労がどんなものかお話しましょう。いや、苦労なんてものじゃない。まったく、…

聖金曜日夜に老若善女が集うギリシア正教大伽藍の門前(写真でごまかすブログ)要するにロスアンジェルスのギリシア料理屋

日付はもう復活祭(Easter)なのに、西海岸時間は聖金曜日の夕刻。ロスアンジェルスのギリシア正教会司教座は猫の足の踏み場もないほど(←なんちゅう日本語や)ごったがえす。教会の駐車場はすでに満杯。しかし、その門前のタベルナと書いてあるギリシア料理…

評論家が小説を読むとどうなるか(答は本文に)「これはちょっとした批評の藝」のまねごと

以下、評論家曰く。 「老若善女が集う・・・猫の足の踏み場もないほど」なんたる表現、驚愕のシュール・リアリズムではないか。現実を超えて、現実がある。しかも、これほど簡潔な表現のうちに深い含蓄のある文章を書ける小説家が、今まで文壇に現れたことが…

イースターの話題にふさわしくはないが、南アの白人至上主義者殺さる

ネオナチの旗おっ立てた、このバカ男ユージーン・タールブランシュ(Eugene Terreblanche)69歳は、給料のことで争って従業員に殺されたとさ。こういうとき、悪いが、Serve him right! って言っちゃうんだよね。オメーみたいなの復活せんで地獄におれ、とか…

わが家のマッツォボールスープ(写真でごまかすブログ)といっても作ってもらって温めるだけだが

毎年、過ぎ越しの祭の週に食べるマッツォボール(matzo ball)スープだ。受難週に過ぎ越しも祝うなどユダヤ教とキリスト教の混合みたいだが、初めのクリスチャンはユダヤ教徒だったことを想い起こせば腹も立たないだろう←またかよ。普通、このくらいのボール…

アメリカで有力な言語はもちろん英語、次にスペイン語、中国語、朝鮮語、ヴェトナム語、ロシア語の順(写真でごまかすブログ)順位がそのまま移民の歴史〔おまけに間抜けな猫〕

日本語? なものないわいな。スペイン語は昔も今も圧倒的に強い。中国語も昔から。朝鮮語とヴェトナム語は、朝鮮戦争とヴェトナム戦争後。ロシア語は亡命人だけでなくソ連崩壊後の新移民。ただし、みんな年寄り用。若い人は学校で英語の授業を受けるから英語…

ブナズィウワ!(こんちわ!)とルーマニア料理屋へ(写真でごまかすブログ)ガールフレンドに囲まれて遅い昼食

ルーマニアン・ジューのメリーH他まるくす博士親衛隊のガールフレンド2名、私を入れて計4人で近くのルーマニア料理店に行った。といっても初めは近くに2軒あるため間違って出かけるところだったが(間違っても、いずれにしても近く)レストランSのほう…

アメリカの校内いじめ続報:CNN 反いじめ活動家ジョディー・ブランコ女史の話(やはり以前からあったアメリカの校内いじめ)

自身がいじめの被害者で今はいじめ撲滅のための活動を行っているジョディー・ブランコの話を、昨日の記事に続けて紹介している。一般のアメリカ人は「こんなことがどうして」とか「大人は何をしていたの」と憤りとともに疑問を抱いたはずだ。http://www.cnn.…

史的イエス研究は21世紀の重要課題(21世紀になって創刊された JSHJ)論文別売り電子版もあるでよ

Twitter で新しい雑誌を創刊する難しさの話題が最近あったことと、いまだに日本では「史的イエス研究」が終わったものでもあるかのように言われていることを踏まえ、専門誌が21世紀に入って(2003年)創刊され、今もますます元気(2010年、第8巻)ということ…