Comments by Dr Marks

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Entries from 2011-01-01 to 1 year

今更だがマロニエ(Marronnier)とマロン(Marron)、栃(トチ)と栗(クリ)の違い

マロニエすなわち西洋トチの実は食えない。いや、食えないわけではないが不味い。特別の調理が必要になる。それに比較してマロンすなわちクリの実は、生でも煮ても焼いても美味い。今、マロンと言ったが、マロンというのはトチの実の意味だったりクリの実の…

 大祭(High Holidays)の前に葬られたメリーH。昨晩から新年(Jewish New Year, Rosh Hashanah)だ。これからヨムキップールへと続く。

写真は、余が寄宿していたところ。貧乏人が自費で泊まるのはこういうところだよ。これはハイデルベルク。 うん、ベッドには二人寝れるよ。ゆったりした部屋だ。修道院みたいでテレビなんてないもん。

 「ポルノ」という言葉は新約聖書にあるんだよ

娼婦・遊女を表わす言葉は日本語でも英語でもたくさんある。どうも、この職業ないしは身分を言い表す際に、なるべく婉曲に表現しようとしたり、同じ娼婦でも微妙な役割分担を言い表そうとして単語が増えるのであろう。更には、直接的な単語で言い表さず、「…

「ある」と「とある」は同じ用法でいいものだろうか

近頃、本来は「ある」であるはずのところに「とある」と表現する者の多いことに気づいた。日本語使いの我が身内の若者も使った。確かに、辞書によっては同じであると説明しているものもあったが、区別しているもののほうが多い。「ある」は何の説明もなしに…

 第5章

忙しくて間が長くなってしまったからカテゴリータグを付けた。これで終わりではない。もう1章残っている。まあ、面白くもない小説が、まだ続くのだ。アイザック・シンガー原作『チビの靴屋たち』 (もう一つのギンペル物語)第5章 大西洋を渡るその日を境…

サンタモニカ桟橋の手品師(五つの卵を落とす業)

初めは古典的な「三個のコップと三個の玉(cups and balls)」を見事なさばきで演じていた。すると「卵落とし(egg drop)」もやるという。卵は五つ。多くなるほどもちろん難しい。それに縁付きのトレイに載せてやるし目隠しもするという。まあ、目隠しは実…

ルート66の世代って? http://en.wikipedia.org/wiki/Route_66_(TV_series)

数年前に始点のシカゴから終点のここまで約一週間で走破した東京の知人が、昨年ガンで亡くなった。彼は多分70歳代。その彼と同年代の二人を伴っての三人旅だった。Route 66 なんて知ってる世代はどこからどこまでなのだろうか。まあ、今はないこの Route 66 …

カナダ人は去って、はや秋の海

8月の日本の海を思い出す。土用波になった海のことだ。ここロスアンジェルスの海。写真はサンタ・モニカのヴィスタ・デル・マールの海水浴場。七月中なら賑わうが、もう土用波なんだよ。誰も泳がないので監視員はいない。売店も閉まってる。ここの海も8月…

芸者の宿? ハリウッドのパブのようだ

カナダ人は余の家からバスに乗ってここへ行ったが、こんな近くに住んでていいなー、と。何がいいもんか。

ソノマの町 No.4: ゴールデンゲイト(金門橋)とベイブリッジ

ソノマの町からサンラファエルの町を経由して金門橋を渡ってサンフランシスコの町に入った。つり橋部分が霧で上まで見えない。これは走る車の中から撮ったので、ちと斜に構えているのがいいだろう。もう一つの橋はベイブリッジ。その前の日にバークリーから…

ソノマの町 No.3: 最北のミッションと主人待つ犬

最北といってもカリフォルニア21ミッションの最北なのであって、カリフォルニア州の中でもちょうど南北の真ん中にすぎない。ミッションの正式名称はミッション・サンフランシスコ・デ・ソノーマ。略してミッション・ソノーマ。ミッション・ソラノとは言わな…

ソノマの町 No.2: 日本語のバラックと英語のバラック

えーと、その前にソノマとは Sonoma と書くの。そのまんま。で、今日はソノマの町のバラックを紹介する。初めの写真がバラック。昔、兵隊さんが住んでいたんだ。次の写真は日本的なイメージではバラックかもしれないが1階はお店や事務所で2階はアパートに…

ソノマの町 No.1: 昔、そのまんま

サンフランシスコから金門橋を渡って北上するとワイナリーの町ソノマがある。町そのものは小さな町だ。また、この町は、カリフォルニア21ミッションの21番目で一番北に位置するミッション・ソラノがある町でもある。というか、そのミッションを中心に育った…

浮世の義理で嫌いな町、サンフランシスコにゆく

今度の土曜日から2泊。11月にはもっと長くいる。ああ、嫌だ嫌だ。 で、仕方がないから・・・変な理由だが名曲を一つ。 I left my heart in San Francisco

会話のない小説:とくに欧米文学について

余のブログでは、いわゆる意味段落と形式段落について二度ほど触れたので、そのキーワードで辿り着く人も少なくない。日本の学校だけの人は、段落に二つの形式があることに何の疑問も抱かないだろう。しかし、アメリカ人に日本語を教えて中級くらいになると…

ヒットラーのポーランド侵攻とギンペルの父アッバの運命

「もう一つのギンペル物語」は、あと2章で終わる予定だ。今度はハッピーエンドだから安心しな。それにしてもポーランド侵攻は1939年の9月だから、それに合せていなければならない。ハナカーとかさ。余のブログにたびたび登場するエンシノ市のガートルード婆…

「ありがとう」と言って食べる文化と「ありがとう」と言って食べない文化

今、余はTwitterのアカウントを二つ持っている。一つは英語とイーディッシュ語専用であるが、ここ数週間つぶやいていない。もう一つは日本語を主にしたものだったが、昨日からドイツ語でしかつぶやかないことにした。なぜドイツ語かというと、ちょっとフラン…

祈祷ショールと経箱について

今まで小説の中で二度ほど出た「祈祷ショール(tallit, prayer shawl)」と「経箱(tefillin, phylacteries)」について、なじみのない人の為に写真を紹介しておく。前者はユダヤ教の男用の祈祷ショールで後者は同じくユダヤ教の男用であるが額に載せた経箱…

 第4章

アイザック・シンガー原作『チビの靴屋たち』 (もう一つのギンペル物語)第4章 フランポールの荒廃それから、ほぼ四十年が過ぎ去った。オーストリアに併合されているときに、ペシャがコレラで死んでからもだいぶ経った。アッバの息子たちは、アメリカで金…

 第3章

アイザック・シンガー原作『チビの靴屋たち』 (もう一つのギンペル物語)第3章 ギンペルがアメリカに移民するだからこそ、ことわざにも言うように、「人が計画すると神が笑う」のだ。ある日、アッバが長靴に取り掛かっていると、長男のギンペルが仕事場に…

この人たちの数年後の運命を考えると・・・胸ふたぐ

1938年のポーランドのユダヤ人らしい。生き延びた人もいるのだろうが、ほとんどは・・・。なおヘブル(イーディッシュ)文字でYehudi Pulin と読めるのは、この映画のクレディット(作者名)だろうか。よくわからない。

 第2章

アイザック・シンガー原作『チビの靴屋たち』 (もう一つのギンペル物語)第2章 アッバと彼の七人の息子たちギンペルが長子なので、父親の跡目を継ぐものと定められていたから、父の彼への関心は格別であった。最良のヘブル語の先生につき、更に、イーディ…

God Bless America

何にも書いていないのではブログじゃないので一言。God blesses America ではなく、God bless America である。これは(May)God bless America! だからだが、新しい(現代崩れした)英語訳聖書で God blesses .. という表現を見ることがある。嫌だな・・・。

 第1章 

アイザック・シンガー原作『チビの靴屋たち』 (もう一つのギンペル物語) 第1章 靴屋と彼らの系図チビの靴屋の家族はフランポールの町で有名なだけではない。町より僻遠の地、ヨネヴ、クレシェヴ、ビルゴライ、あるいはザモショー辺りでさえ、よく知られて…

「一級在宅士」を英語で何と言うか? 長々とこじつけも。

本来は引き篭もりのベテランを一級在宅士と言うらしいが、近頃はTwitterなどの自己紹介でもよく見かけるようになった。まあ、一日中Twitterなどしていると「あんた一級在宅士?」なんて聞かれそうだが、これは日本に限らないことだから英語でもありそうであ…

ユダヤとアラブの平和の歌(ヨウツベでごまかすブログ)

Uploaded by shalom2salam on Sep 19, 2007 How do you make this song a reality? To be sure, singing songs about peace will not bring peace. But reading about the Israeli-Palestinian conflict, visiting the conflict area and talking to the peo…

「もう一つの話」シリーズについて

ショーレム・アレイヘム原作による孤児モットゥエルの話に続き、アイザック・シンガー原作によるギンペルの「もう一つの話」を連載する予定だ。ただし、ギンペルは、あの『阿呆のギンペル』自身ではなく、別人である。「もう一つの話」というのは余の勝手な…

七週祭の歌でごまかそう。どうも忙しく、ユダヤ街の写真を撮りにゆく暇がない。

といっても、これは結構いい動画だよ。楽しめること請け合い。七週祭をヘブル語ではなくイーディッシュでシェヴオスと言ってるね。食べて飲んで夜通し律法を学ぶんだよ、男は。

祭の日に泣かないで(第5回および第6回)

―先導唱題師ペイシの息子モットォエルの、もう一つの話(原作:ショーレム・アレイヘム) 5変な女だよ、ぺシーという奴は。どこにでも鼻先を突っ込んでくる。俺たちがゆんべ何を食ったかまで知りたがるんだ。 「何でそんなこと聞くのさ?」 どうやら母ちゃ…

間もなく日没。西海岸時間では七週祭の宵だ。

七週祭(ヘブル語:シャヴオート、イーディッシュ語:シェヴオース)というのは、ユダヤ教の三大祭の一つだ。申命記の16章を参照してもらえばいいが、過ぎ越しの祭から七週目(7×7=49日)ということで七週祭だ。毎年、暦は移動するので、今年の場合という…